「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」や「ゴジラ」シリーズのポスターを手掛け、2018年1月に東京・上野の森美術館で個展が決まり、いま改めて注目を集める伝説のイラストレーター・画家である生賴範義が晩年に最も心血を注ぎ制作したとされる、旧日本海軍の艦艇画272点をまとめた画集。
「大和」「武蔵」「扶桑」などの戦艦から「赤城」「加賀」「信濃」などの航空母艦、巡洋艦、駆逐艦、そして砲艦・海防艦などと呼ばれていた補助艦艇まで、図面をもとに同縮尺(1/300)で描かれた絵は驚異的に精密で、静謐な美しさを兼ね備えている。これらの画稿の数々は仕事の合間に、自らが描きたいという極めて純粋な欲を満たすために描かれ、長い間彼のアトリエに眠っていたものである。
今回の画集で初めて公開されることとなり、生賴範義の仕事以外の作品を観賞できる貴重な機会となるだろう。
画集ではその膨大な数の中から日本の艦艇をほぼすべて(まだ発見できていない作品がある可能性があるため)収録。艦艇画は艦艇の全体像を垣間見ることができ、同縮尺のため艦艇ごとのサイズの比較を可能にしていることもあり、資料的価値も非常に高い。
また画集の付録として、朝日ソノラマ社や潮書房光人社刊行の戦記・戦史文庫の表紙に描かれた装画(日清・日露戦争や真珠湾攻撃、レイテ沖海戦、大和の沈没などの海戦の様子を描いた戦記シリーズ)の中から厳選した複製原画16シートを同梱するという豪華仕様。